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奥野 浩; 川崎 弘光*
JAERI-Research 2000-040, 44 Pages, 2000/09
キュリウム同位体3核種(Cm,Cm及びCm)の臨界質量を日本の評価済核データライブラリのJENDL-3.2と連続エネルギーモンテカルロ中性子輸送計算コードMCNP4Aとを用いて算出した。中性子増倍率k=0.9及び0.8に対する質量も同様な方法で算出した。30cm厚さのステンレス鋼を反射体とするCm金属及びCmO-HOの未臨界質量(k=0.9に対応)は、それぞれ25.2及び41.8kgと計算された。Cmの最小臨界質量として、微粒状Cm金属と水の均質混合球状体系で十分な厚さの水反射体に囲まれた場合に65.6gとの結果を得た。Cmの対応量は2.19kgと求められた。参考までにCmCm及びCmの裸の金属体系で、評価済核データライブラリをJENDL-3.2からENDF/B-VIに置き換えて臨界質量を計算したところ、対応量はそれぞれ23%,45%及び2%だけ小さくなり、核データライブラリの依存性が大きいことがわかった。本報告書は、米国原子力学会基準ANSI/ANS-8.15(特別なアクチニド核種の臨界管理)改訂のため準備した。
今野 力; 前川 藤夫; 大山 幸夫; 池田 裕二郎; 和田 政行*; 前川 洋
Fusion Technology, 34(1), p.6 - 17, 1998/08
ITERの遮蔽設計で使われている輸送計算コードMCNP-4AとDORT3.1及び核データライブラリーFENDL/E-1.1の妥当性を検証するために、原研FNSで実施した大型のSS316体系を用いたバルク遮蔽実験の解析を行った。FENDLの次版に多くの核種が取り入れられているJENDL Fusion Fileを用いた解析も実施した。FENDL/E-1.1,JENDL Fusion Fileを用いたMCNP計算は、測定データと30%以内で一致した。DORT計算も、中性子175群、線42群のエネルギー構造で自己遮蔽補正をした多群ライブラリーを用いた場合にはMCNPと同精度で実験を再現することができた。FENDL/E-1.1,JENDL Fusion Fileを用いたMCNP-4A及びDORT3.1によるバルク遮蔽設計計算の精度は、厚さ900mmのSS316に対し30%以内であると結論できる。
桜井 聡; 荒川 拓也*; 奥野 浩
Journal of Nuclear Science and Technology, 35(5), p.365 - 369, 1998/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)均質硝酸プルトニウム溶液体系の無限中性子増倍率(k)に与える有機溶媒の影響をMNCP-4Aを用いた数値計算によって調べた。その結果、硝酸プルトニウム-30vol%リン酸トリブチル-ドデカン有機溶媒系のkは硝酸プルトニウム水溶液系のkとほぼ等しいことを確認した。しかし、結果をより子細に眺めると、有機溶媒系のkは70gPu/l以下では水溶液系の対応値よりも僅かに大きくなった。それゆえ、Pu(NO)水溶液系の推定臨界下限濃度が6.9gPu/lであるのに対して、有機溶媒系の推定臨界下限濃度は6.8gPu/lとなった。また、有機溶媒系のリン酸トリブチル濃度が上昇するとkが増加する傾向も見出した。
今野 力; 前川 藤夫; 大山 幸夫; 和田 政行*; 池田 裕二郎; 前川 洋; 春日井 好己; M.Z.Youssef*; A.Kumar*; M.A.Abdou*
Fusion Engineering and Design, 42, p.267 - 273, 1998/00
被引用回数:2 パーセンタイル:24.46(Nuclear Science & Technology)超伝導電磁石(SCM)に含まれる核種が核パラメーターに及ぼす影響を調べるために、超伝導電磁石模擬実験を行った。SCMの構造は層状に模擬し、導体部の組成は予備解析をもとに核的に設計に近いものを選んだ。SCM領域の前には遮蔽ブランケットと真空容器を模擬したSUS/水層を設置した。1MeV以下の中性子スペクトル、反応率、線スペクトル、線発熱率をSCM領域内で測定した。また、BC/Pb補助遮蔽体をSCMの前に設置した体系でも実験を行った。実験解析は、MCNP4AとDOT3.5コードで行い、JENDL Fusion File とFENDL/E-1.0の核データライブラリーを用いた。MCNP及び自己遮蔽補正を考慮したDOTの計算は実験と40%以内で一致したが、自己遮蔽補正をしていないDOTの計算は、SCM内で実験値を大幅に過小評価した。また、SCM内の核発熱で、微量の重核による寄与が大きいことを計算で示した。
高田 弘; 明午 伸一郎; 佐々 敏信; 深堀 智生; V.I.Belyakov-Bodin*; G.I.Krupny*; Yu.E.Titarenko*
Proc. of 4th Int. Information Exchange Meeting on Actinide and Fission Product Partitioning and Transm, 0, p.323 - 333, 1997/00
0.8及び1.2GeV陽子を直径20cm、長さ60cmの厚いタングステンターゲットに入射した場合のターゲット円筒側面における種々の放射化検出器の反応率分布について、加速器によるTRU消滅処理システムの核設計に用いられるNMTC/JAERI-MCNP-4Aコードシステムを用いて解析計算を行い、実験結果と比較した。両方の入射エネルギーに共通して、主に10MeV以下の中性子検出反応S(n,p)P、Al(n,p)Mgについて、計算結果と実験結果は10~15%の差の範囲で一致し、コードシステムの現在の予測精度は妥当なものであることが判った。しかし、10100MeVの中性子検出反応Al(n,)Na Bi(n,xn)について、計算結果は実験結果に対して30~50%低いことが判った。この不一致はNMTC/JAERIコードが中性子生成を低く評価することに起因すると考えられるため核反応及び粒子輸送過程の計算モデルについて、今後さらに改良する必要がある。
桜井 淳; 荒川 拓也*; 山本 俊弘; 内藤 俶孝
JAERI-Research 96-045, 31 Pages, 1996/08
「計算誤差間接推定法」では未臨界度予測精度は、-=K(-)で表される。この式は、未臨界度予測精度は軸方向のバックリングの予測精度である(-)に比例することを意味している。比例定数Kは計算によって求めるが、Kの不確かさが未臨界度予測精度に与える影響は、直接=K(+)によって求めた未臨界度と固有値計算によって求めたとを比べる場合に比べてはるかに小さい。したがってKの値は、既算の値を計算によって求めておけば精度は充分に保たれる。もし=であれば、=となる。TCAの四つの未臨界炉心の実験解析を基にこの方法の信頼性を示すことができた。
高田 弘
原子核研究, 41(3), p.39 - 47, 1996/06
68MeV陽子を厚いC、Au及びCuターゲットに入射した場合の中性子スペクトルについて、NMTC/JAERIとMCNP-4Aから成る高エネルギー核子・中間子輸送計算コードシステムを用いて、前平衡過程を導入した場合(3STEPオプション)と反射・屈折及び媒質効果を考慮した核子・核子散乱断面積による原子核の平均場の効果を導入した場合(ISOBARオプション)の2通りの解析計算を行った。3STEPオプション計算は45°より後方では全エネルギー範囲について実験と良く一致したが、0°~30°方向では20MeV以上の中性子放出を実験よりも極端に大きく評価した。一方、ISOBARオプション計算は、3STEPオプション計算に生じた前方角度の不一致を良く改善し、後方角度でも実験とかなり良く一致した。この結果、原子核の平均場の効果を考慮することにより、NMTC/JAERI-MCNP-4Aコードシステムの計算精度の向上が確認できた。
桜井 淳; 荒川 拓也*; 内藤 俶孝
JAERI-Research 96-008, 77 Pages, 1996/02
臨界集合体TCAを利用して7種類の未臨界炉心を構成し、反応度と中性子計数率空間分布を測定した。実験解析にはMCNP-4Aを利用した。中性子計数率空間分布の計算結果は、すべてその実測値と相互の誤差範囲内でよく一致している。このことは「計算誤差間接推定法」では、MCNP-4Aでの固有値問題の計算で求めた中性子増倍率は、その体系で実験的に評価した反応度から求めたものに一致することを意味している。今回の実験と計算によって「計算誤差間接推定法」を適用した計算値を用いた未臨界度の評価法の基礎技術を確立することができた。
桜井 淳; 荒川 拓也*; 須崎 武則; 内藤 俶孝
JAERI-Research 95-082, 36 Pages, 1995/11
指数実験法を正方配列炉心からはずれたより複雑な配列炉心の中性子増倍率評価に適用した。精度評価をする場合、基準としては精度評価が十分になされている連続エネルギーモンテカルロ計算コードMCNP-4Aで計算した中性子増倍率の値を利用した。指数実験法で得られた精度は、従来正方配列炉心に適用していた解きに得られたものと同程度であることがわかった。
桜井 淳; 須崎 武則; 荒川 拓也*; 内藤 俶孝
JAERI-Research 95-022, 50 Pages, 1995/03
TCAにおいて2.6%の濃縮UO燃料棒nn本を正方格子間隔1.956cmで配列して、中性子源増倍法に関する実験を行った。n=17、16、14、11および8と変化させ、異なる炉心水位の組合わせで、合計15種類の未臨界炉心を構成した。Cf中性子源を炉心中心近傍に設置し、炉心内および水反射体内の2箇所で小型核分裂計数管により垂直方向の中性子計数率分布を、5cm間隔で測定した。実験解析は、モンテカルロ法による計算コードMCNP-4Aで行った。今回つぎのような結論を得た。(1)指数実験およびMCNP-4Aで求めたkの差は、ほとんどの体系において1%以下である。(2)MCNP-4Aで50万ヒストリーで計算した中性子計数率の標準偏差は、ピーク付近でいずれも5~8%の範囲である。ひとつの炉心で規格化した中性子計数率の計算値は、実測値によく一致している。
小林 友也*; 荒川 拓也*; 奥野 浩
JAERI-Data/Code 94-018, 36 Pages, 1994/12
連続エネルギーモンテカルロ法計算コードMCNP-4Aを評価済み核データ・ファイルJENDL-3.1と組合わせて、U濃縮度4.3wt%二酸化ウラン燃料棒が可溶性ガドリニウムを含む同濃縮度の硝酸ウラニル水溶液中に部分的に没している12体系の臨界実験を解析した。中性子増倍率の計算値は平均で0.955となったが、1よりこのように小さくなった主な原因は、実験報告書に記された燃料溶液等の組成の不正確さにあると推定された。このため、燃料ペレット、燃料溶液、ステンレス鋼、ガドリニウムの組成データについて吟味し、より正確な値を採用したと思われるOECD/NEAの国際ベンチマーク問題に従って解析した結果、中性子増倍率の計算値は平均で0.986となり、かなり1に近付いた。